昨日はUNITでバインのライブ(Club Circuit)。
ほんとはリキッドで見たかったので少し気が乗らなかったけど、行ってほんとうによかった。
音が走ってないな、というのが始まったときの第一印象で、
音や演奏する様子には、何かを見据えている強さとか一種の冷たさとでもいうようなもの、
確固とした芯が据えられている感じがあって、
でも、それはちょっとイッちゃっている目をしたような、不敵な笑みを浮かべているような感じもした。
とってもうまく言えないのだが、バインの力を確信したようなライブだった。


ほんとは昨日のうちに書きたかったけれど、家に帰ったらものすごく疲れていた。
3時間くらい(待ち含めて)立っていただけで疲れるけれど、
ライブ中、下半身はビート打ってるし、頭は歌詞とか曲にまつわる記憶とか追っているし、
連動して気持ちは動いて泣きそうだし、それで疲れたのかとも思う。
「こういう緊張感のあるライブはどうですか?」と田中くんが言っていたけれど、それもあったのかも、と思う。
コアな選曲だし、「Club Circuitは大変なんですよ」とも言っていた(たぶん準備が)。
(おもに)コアなファンが来る小さなハコのライブに力を入れてくれるのはすごくうれしい。
たぶん、バインのファンにとって、バインの音楽はとっても大切なものなので、
そのことをバインも感じ取ってくれているのではないかと思う。
轟音でちょっとサイケデリックな世界に行ける、「豚の...」や「マリー...」等の”大人の時間”は
今回はもういいかな〜と思っていたら、そういうコーナーはなかったが、
そういう音にしなくても、一見地味な深い曲が、十分重くて密度の高い、濃いものになっていた。


走ってないな、というのは、ちょっと前は、(おもに田中くんが、ということだと思うけど)、
キツイところから抜け出せたようなところだったせいか、感情が昂ぶり少し突っ走っていたような気がしたから。
ナイーブさが前面に出ていたのだと思う。そういうライブも情感があってとってもよかったけれど。
昨日は、「その未来」で前に感じたような田中くんの”泣き”も感じなかった。
「始まりさ」と言っていても、これからが始まりなんだ、と茫漠としたものを見ているんじゃなくて、
今はもう、しっかりと、始っている途上にいるんだ、ということが感じられた。


それから、2年くらい前から、田中くんのギターがかっこいいな、と思い始めたんだけれど、
昨日は、田中くんには、歌うこともだけれど、ギターも必要なんだな、と感じた。
この人が楽しそうな顔をしていると、ほんとによかったな、と思う。


↑いやーベタ褒め。
でも、ほんとに重みのある、充実したライブだったのですよ。
いまや日本のバンドでいちばん好きなバンドになってしまいました。
CD聴き直してますが、ライブの音の重さや密度は、やっぱりずっといいです。
でも、人に簡単に薦められないのがバイン。
日本のバンドをあまり聴かない人にも聴いてもらいたい、とか、
J-waveとかで流れる軽めのシングルだけしか聴かなかったり、
見た目から「線の細い文学青年」のバンド、みたいに思って聴かないのはもったいない、とかすごく思うんだけれど、
自分はこんなに好きでも、あまり人に言われて聴いて好きになれるようなバンドだとは思わない。
ただし、一度好きになったら、ハマリ度はすごく高くなると思う。
フェスとかより、よりコアな、単独のライブを一度観てほしいとも思う。


田中くんには、いろいろ思うことがある。
ほぼ尊敬しているようなところも一つある。自分にはできないこと。
それは、その気になったら、また書こうと思う。


Circulator(サーキュレーター)

Circulator(サーキュレーター)

いやー「Hawaii」と全然ちがうな。でもどちらも好きなのだ。