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・「once ダブリンの街角で」
父の世話をして家業を手伝いながら、ダブリンの街でストリートミュージシャンをする男は、
つき合っていた女性を忘れられずにいる。
そんな彼が、街で、チェコからの移民で、母と娘の世話をし、花売りなどをしながら、
楽器店のピアノを借りて弾いている女と出会って、音楽を通じて心を通わせる。
映画の中で流れる二人の音楽、歌が、すごく大きな位置を占めると思うので、
音楽にあまり興味がない人(程度問題で、今時そんな人はあまりいないだろうけど)は、
どう感じるんだろう?と思うような映画。
自分で音楽をつくる人にとっては、また、もっと感じるものがあるのだろうと思う。
序盤、主人公の男性の容貌も濃く、歌う歌詞が、自分的にはちょっとアツ過ぎる感じがしたので、
どうなるだろうか...と思っていたのだが、結果的には、少し歌詞のアツさは気になったけど、
とてもいい感触の残る、いい映画だった。
女性役、とくに女性がつくった歌(後で知った)がとても好きな感じだったことと、
二人が実際にミュージシャンで、音楽をする姿がとても自然だったこと、
その二人の関係が、あまりくどくなく、描かれていたからかな、と思う。
それぞれが過去の恋愛にいろいろな想いを抱えてもいて、
おたがいにとても好意をもっているし、もっと近づきたいと感じているのだけれど、簡単にそうならない、
そういう微妙な距離、つき合い方が、私的には、とてもツボというか、すごく好きな切ない感じだった。
映画全体が、ちょっとドキュメンタリー風な趣もあり、変に狙っていない、自然な感じ。
あ、もう一回観てみようか、と、DVDかなにかで観たと勘違いしてしまうような、
なんとなくパーソナルな感じ?があって、よかったんじゃないかと思う(小さな画面で観たせい?)。
予告編↓
http://www.youtube.com/watch?v=_SmK41c-WwY