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・「ダージリン急行」(ネタバレてます)
Jason Shwartzman が気になっていたので(私的に3人めのJason)、終了ぎりぎりで観た。
兄弟3人のダージリン急行での旅の物語。
冒頭の「Hotel Chevalier」がよい。Natalie Portman、可愛いし、なかなかやるなって感じ。
本編では、初っ端に出てきた Bill Murray に、いきなり摑まれてしまった。
やっぱりすごく好きだなー、この人。 情けない表情がたまりません。後はもう出てこないんですが。
映画は、やっぱりゆるい。で、微妙に面白い(←褒めてる)。後で思い出して、ふっ、と笑う感じ。
正直、W.Anderson の作品はちょっと眠くなってしまうんだけれど、それでもいいんじゃないかと。
もともと、バーン!とか、ドーン!とか、感動〜とかを期待して観ているわけはないし、
語り口のテンポとか、色や物のセンスがこういうものであるといいなと思うところが
自分的にすごく気持ちよく入ってくるので、その心地よさのせいがあるかなーとも思う(たぶん、言い訳でなく)。
ダージリン急行や乗務員さんの服のブルーの色と茶が、この映画のイメージで素敵。
脚本や制作等にJason〜と、R. Coppola も関ってるし、やっぱりセンスいいです。
自分的に残ってるのは、おもにJasonが、物言いたそうな、目で語るような表情を映している"間"。
何考えてるのかと思うと、結局女かよ、みたいな、Jasonの女好きないやらしい感じもたまりません。
そんな人はもちろん好みじゃないんだけど、あれはとても魅力的。
昔のKevin Kline もあんな感じで好きだったな。
Adrien Brody も、今までにないさらっとした表情がよくて、前より好きになりました。
監督さんのセンスが、物だけでなく俳優さんのすごくいい面、いい表情を撮れているのかな?と思う。
後半の、3人がちょっといい人たちっぽくなる流れは、私的にはなくてもいいかも、っていうくらいで
旅の途上の小さな面白さを味わって、それでいいかな、と思ったけれど、
前半のままでは、ちょっと映画としてもたなかったのかも。
まあ、後になって、内容的にもちょっとだけ考えるところはあった。
3兄弟それぞれで、違和感を感じながら、いろんなことがある中で旅をする(大部分くだらないけど)。
でも、おたがい、全部を好きにならなくても、結局は、それぞれのあり様は認めている。
ああいう奴だからな、と自分を認めてほしければ、ただ自分と違っている人もいるんだ、
と認める、ってことだよな、とか思ったり。