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・荻原 浩 「さよならバースディ」(やっぱり文庫で)
たまには本のことでもー。何となく敬遠していたこの人のものを初めて読みました。
ボノボに言葉を学ばせる研究者と、その恋人と、大学研究室周辺の人々の、ミステリーっぽい物語。
検索したら、評判あまりよくないのですね。
たしかに、主人公が、ボノボをかわいがっているようで結局大事にしてないかも....とか
(そうした気持ちは理解できるにしても)、死んだ人の動機がちょっと薄いかもしれないなーとか、
引っかかるところはあるのですが、私は、好きです。
バースディ(ボノボ)の動作や人間とのやり取りする姿や言葉が、すごくいじらしく、
(とくに事件で動揺する前の)主人公との日々の関わり合いの様子は、気持ちにくるものがある。
それと、主人公の恋人への気持ちの描き方は、私的にはすごくわかりやすく、読んでいて、
人恋しいような、人がいないことのさびしさみたいなものを自分でも感じ、切ない気持ちになった。
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 文庫
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