・「ダークナイト
 アメコミ?それほど興味はなく、これまでのものも、TVでなんとなく横目で観ていた感じだった。
 すごーく昔に観たことがある気がするモノクロのTV番組?とか、
 60年代くらいの、画面に吹き出しが出るような、仮面をつけたバットマンのものは、面白かった。
 というような、バットマンに思い入れも知識もない私に、何か観る気にさせるものがあったのは、
 やっぱり、全体の”ダーク”なイメージと、ヒース・レジャーの悪人役だったと思う。
 思い入れがないので、細かいところや、むずかしいことはわからないのだけれど、
 観てよかった映画だと思うし、もう一回観てもいいかな、と思います。 
 ドンパチとか爆破とかも好きでなくよくわからないけれど、充分迫力があって、
 エンタテインメントとしても面白く観られたと思うし、
 ”善と悪”とかに深く考えをもたない私には、よくわからないだけに、
 それなりに突っ込みどころがわからないような、深みのあるような話に思えたし。
 ジョーカーは、通り魔的な短絡的な暴力的な馬鹿でかわいそうな悪人でなく、
 ほんとに悪人なら、こういうとこまで思いつくでしょ、という悪をやっていたし。
 検事役の光の使者?のあり方とか、彼とバットマンとの関係とか、
 もう少し考えながら、もう一回観てみたい、とほんとに思います。

 ................後から考えていると、よくわからなくなるので、こういう感想を書いていますが、
 観ている間の感触だけで言えば、私は、気持ちを揺さぶられるようなことが何度もあり、
 泣けてしまうようなところもあった。
 やっぱり、それはジョーカーの、ヒース・レジャーの出ているところで、だったと思います。
 全体像が、ちょっと、ジョニー.Dを思わせるような雰囲気もあったけれど、
 笑顔になるように裂けた口とメイク、その口をペチャペチャさせてしゃべる口元、
 ちょっと異世界(彼岸?)に半分行ってしまっているような目付きで
 すべて本気じゃない、というように、やはりクラウンのように話す表情、
 そういうのが、すごく、かなしい、(生気の?)薄いような感じがした。すごい存在感とは言うけれど。
 で、何か気持ちに触れて、入ったきた。
 彼の生い立ちや背景とかを知っているわけではないし、
 すべての台詞を理解できたわけじゃないけれども、この台詞やこの役に本気で取り組み、
 入り込んでしまったから、この人は死んでしまったのかもしれない、と思ったりした。
 この役に、この人を選んだのは、何故だったんだろう。そこが何か、すごいというか。

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