・Juno(ネタバレしてます)
 最近Wow〜で録画したもので観てしまいたいものが4〜5本あるが、
 まずは借りたものを今年中に観ないと...と思い、同僚に借りていたものを観た。
 監督や脚本がどういう人かわからないですが、映像の色彩や加工も可愛く、
 言葉の言い回しやテンポもちょっと新鮮で、
 主人公周辺のインテリアとか音楽の趣味とか、若い子としてはひね気味というか、
 でも、独りよがりな感じのお洒落さではなく、カジュアルにポップな感じで可愛いかった。
 
 16歳の女の子が妊娠云々...という内容で、また、私としては、
 何を描こうとしてこの内容にしたのか、始めに何がありきだったのか、とか思ってしまうのですが、
 何が始めかはわかりませんが、こういうことがハッピーに終わるにはこういうことが必要なのだ、
 と思えるような映画ができているように思いました。
 重く描こうと思えば重く描ける内容だけど、Junoの妊娠発覚後の周囲の反応とかはさらっと描き、
 結局、家族と自分の近くにいる人たちとの関係さえよければ、何があっても何とでもなる、
 というようなことが重点なのかな、と。
 Junoの父と、父の再婚相手である継母が、娘のそういう時にすごく普通の人然としている
 (それが実は普通でないのだろう)両親で、そこが素晴らしい。
 その娘だから、Junoはああいう娘なのかもしれない。
 全体に問題を軽く描いているということも、妊娠させた相手の男の子がいい子でも情けないことも、
 確かにそうなのだけれど、結局、Junoがいろいろなことを自分で決められる子で、
 家族がそれを尊重して見守ってくれるから、あまり相手の男の子とか周囲の人のこととかは
 気にしないで済んだのかもしれない(あと、いい女友だちもいた)。
 私は、まったく、妊娠、あるいは若い時の妊娠の不安などについて、共感ができないので、
 そのくらいしか思えませんが。
 
 生まれる子の養子先として考えた若い夫婦とJunoの微妙な関係も、なかなかよかったです。
 Junoはその夫に惹かれるけれども、子どものことがあるからこそ見えたこともあり、
 それはすごくいい経験だっただろうと思う。
 妻役の人の描き方が、ちょっと思いいれありすぎな感じなところが不安を感じさせ、
 それでも、最後、それがどうなっても、ああいう思いいれもありだろうと思えるような感じがしました。
 夫役の役者さん、やっぱりちょっと情けないけど、案外好きでした。
 
 Junoの赤ちゃんが生まれそう、という段になって、みんなが慌てだす中、
 継母の人が”さあ、いよいよよ!”、と言ったところで、いきなり泣けてきてしまい、
 なんでだろう?と考えたが、ああこの人が、この事態を芯から祝福してくれている、と
 感じられたからだ、と思いました。
 赤ちゃんの父であるボーイフレンドがそんなに素敵な人がどうかは別として、
 そういうことがあった二人がその後ああいうふうになれるかは別として
 (そうあればむしろいいとは思うけれど)、あくまでもポップに後味わるくなく終わるのは
 私的にはわるくないと思います。