吉井さん@武道館 12.28
二階席で遠いし、ニュートラルな気分で観られるような気持ちでいたが、結局は吉井さんのエロさ
に揺さぶられてしまい自分の弱い部分をこぼれ出させてしまいたくなるようなライブだった。
ライブハウスよりホールクラスの方が好きな私でも新木場はよかったけれど、やっぱり武道館の方
がよいと思う。吉井さんが大きいところへ届かせようとしている感じが、前向きな、より開かれた
感じがするのかもしれない。
“FINE~” から”RED~”はすごく濃密な世界だった。特に、生でもかっこよかったけれど、
録画を観てしまったら、”FINE FINE FINE”は、もう〜たまらない。興奮する。
これだけ吉井さんに冷めてしまっている私でも、吉井さんのキレとしなやかさにぎゅっと掴まれる。
でも、映像を観てわかったけれど、歌に入る前の目は、以前の吉井さんじゃない。色っぽいけど
何かを観ている違う目だった。危ないように色っぽいけど色気の向こうに落ち着きもやさしさ
もある。自信も強さも冷静さもある。自身も言っていたこの10年くらいの、わからなかったり
苦しかったり迷ったりしてきたことは、ほんとに無駄じゃなかったよね、というところが、こういう
ところにもあらわれていたと思う。
“RED LIGHT”を聴いている時は、破滅してしまってもいいからそっちの世界に行きたい、という
ようなあぶない弱い心持ちになった。私をこんな気持ちにさせるのは吉井さんだけだ。
それから“嘆くなり”もカッコよかった。気づいてみると、昔の曲にばかり色っぽさを感じている。
記憶のせいなのか、曲のせいなのか、よくわからない。
クランベリー”はちょっと違う、個人的にすごく感じるものがある。最後のあたりを聴いていると、
こう言うのがいちばんしっくり来るのでそう言うが、裸の時しか会えなかった 人 のことが必ず
浮かぶ。それで泣けてくる。ものすごく前のことだし、絶対幸せになれない、今なら絶対選ばない
人(いすずに叱られるだろうか)と今は言うくらいなのに、自分の中で何かが済んでいないのか と
思う。

“FINE~” から”RED~”はそんな時間だったが、“Love〜”“Flowers”のような曲は別として、
改めて、最近の曲の盛り上がりぶりはすごいと思う。今回のツアーでは特に、今の吉井さんの痛く
ない攻撃性というか力強い感じが出ていて気持ちよかった。
生方くんのギターはキレがいいというかエッジがきいているというか、私的には、決して遅れない
(実際のテンポではなく、ブンブンのドラムだった平井さんに感じていたような)走りめな正確さ
が気持ちいい。ジュリアンの優雅さやバーニーの泣き、歌うような音とはまた違っていていいのだ
と思う。でも、正直言って、まだ私は心が許せないところがあったりする…。あのバンドとしては
華がないというのもあるけれど、この雰囲気に入り込まないぞというような感じがするところに、
私自身が防衛しているのかもしれない。

吉井さんは、全体的に、そして終わりに向かって行くにつれてさらに、すごくすっきりしたいい顔
をしていた。ああいうすっきりさは、美しい、と言いたい。
“Music”の曲間のMCと、歌詞の“よしい〜があってよかったな!”への置き換えは、今の吉井さん
だから言えることなんだろう。それを聞いていて、よかったねという気持ちと、そんなふうに力強
く言ってくれる人がいる安心感みたいな気持ちで、幸せに思った。まあでも私的には、映像を観て
気づいてしまったこの曲の最後の、息づかい?と振り向きざまの格好が、“FINE〜”とともに、
色っぽくてかわいくて、たまりません。


あーでも、私が好きなアーティストで、もし一緒にいたら幸せになれるのは、たぶんJulian(Stro〜)
だけです。あとは、一緒にいたらつらそうです。今は、Julianが好きな健康な私が好きです。
てな、て感じです。