「危険なメソッド」、「声をかくす人」、「チキンとプラム」を観た。言葉が多いものを選んでしまって
いたため、どれも前半眠くなってしまった。どれも自分的にすごくよかったという感じではなかったかな。
「危険な…」は、キーラ〜が迫真の演技?で、やっと本気で女優なんだなと今後も期待できるように
なったのが一番大きい。これを観た限りでは、私はユングの方が人間的だと思うが、フロイトの方が
仕事の仕方的には好きかな、私だったらフロイト的に関わってもらいたいなという気がした。
「声を…」は、芸術やエンタテインメントとしてつくろうとするつもりはほぼなく、裁判の過程を
忠実に描こうとしたのかなという印象で前半はかなり淡々としているけれど、後半はこういうことが
あったのかということをすごく重くやるせなく感じる。J.マカヴォイは、後半になるにつれ誠実に
悩んでいる感じが伝わってきて感情移入できた。表情がアツくて、こういうのが存在感があるという
のかと思う。
「チキン…」は、完全にマチュー・アマルリック狙いで観た(が、初めから顔が濃い…と思った)。
私的にはちょっと危ない不埒な感じの役柄の方が好きだが、こういう役もやりたかったのかもしれない。
映像的に影絵とか使ったり色味も綺麗、内容もかなりファンタジーな感じで、私はこういうのは好き
なのでわるくはない。ただ、このところ観たものが、微妙な感情の機微みたいなものに自分的にすごく
触れる感じのものがなく、ちょっと欲求不満が残っている。でもあまり重いものは観たくない。