「孤独な天使たち」が名画座に降りてきていたので行ってきました。
好きな映画でした。観たいという感覚だけでほぼ前知識を入れずに行って、
けっこう地味な展開を予想していたので、かわいい格好した男の子がロックな
音楽にのって登場した時点で、ベルトルッチでこれ、なんかいいかも、と思い
ました。その後も音楽がすごくよく、監督本人の選曲とのことで、若い子たちの
気持ちの描き方といい、70代なのにこういう感覚をもっていられるのかと
ちょっと驚きました。みずみずしい、という感触がすごくありました。
原作物とも知らなかったので、観ている間、この映画を作ろうと思った端緒
はどういうところからか、密室での1週間?、年上女性との思い出…?など
などと考えていました。大きな出来事もなく一つの場所での物語なのに、
予定調和と感じなく飽きさせないのは、男の子とその姉(異母)の二人の
心情を監督の考える個人として細かく?想像して丁寧に描こうとしている
からなのではないかと思います。ああいう姉弟の(そこに象徴される)人と
関係性は、実際の自分としては近しいものではないけれども、あっていいな
と思えるもので、それも含め、監督のみている全体的な方向性が(おこがま
しいけれども)自分に近いような気がして、信頼感をもって観られたのだと
思います。