先週「6歳のボクが、おとなになるまで」、今週「オオカミは嘘をつく」と
ストックホルムでワルツを」を観ました。「オオカミ〜」は、役者さんたち
みんな味があってもうまいし重い内容の中にユーモアがあり面白かったの
ですが、かなりの時間があの…拷問?で、その部分を観ている間は、この
映画何を描きたいのか…?とか考えてしまいました。まあ最後でその流れを
忘れさせてくれる感じになりますが。
ストックホルム〜」は、実在の女性ジャズボーカリストの話ですが、まあ
やっぱりどうしてもスウェーデンの映画は、ファッションやインテリアのセンス
がいいという部分が印象に残ります。まったくの実話に沿ったものではないよう
ですが、映画では、娘さんに対しいろいろな配慮は足りないものの愛情はちゃん
とあるように描かれていたのがよかった(嫌じゃなかった)です。後半、成功し
ている人ゆえの焦りや生活の荒れ方がこういう話によくある流れを追っている
感じで食傷気味に観てしまう感じでしたが、音楽が多いので全体に気持ちよく
観られました。スウェーデン語のジャズって全然不自然じゃなく聴いてきた気が
しますが、そのくらい合っているということでしょうか。
一番好きだったのは「6歳〜」かな。日常的な出来事を描いているだけだし
少し冗長な感じはしますが、同じ俳優さんをつかって12年もかけて映像を撮っ
ているのだからたくさん使いたくもなるでしょう、と思います。感受性の強そう
な6歳のほんとにかわいい男の子が、小学生頃には調子に乗る時期もあったり
しながら、ちょっと暗めな思慮深い青年(すごく好み)に実際に成長していく姿
を見られるのはほんとに興味深い。公式サイトを見たら、大事な成長期にあたる
主人公の男の子を考えて、監督さんはすごく配慮をして脚本を考えたり撮影した
りしていたということで、そういう人だから細かい気持ちの描写ができるのかと
後で思いました。会話が重要なのは「ビフォア〜」シリーズと同じかな。とても
テンポがよい。いろいろな家族の状況やそこでいきいきと生きている母親役の
P.アークエットがすごくリアルでよかったです。イーサン〜は、すっかり口の
うまい、いい(いわゆるしっかり者ではなく子どもの気持ちに寄り添おうとする)
父親役にはまっています。