「僕と世界の方程式」を観ました。このお話のドキュメンタリーを撮っ
た監督が長編映画として作ったもので、とてもよかったです。監督や製作
者(、出演者もかな)のあたたかい目線を序盤から感じました。
最近観たもので、「たかが…」は、X.ドラン作品で期待していましたが、
俳優さんたちはよかったと思いますが、観ていて途中で辛くなってきまし
た。映画の出来が、ということではなく…、不器用に感情をぶつけ合う、
そしてそれを見ている者の視線の連続が、お腹いっぱいになってしまうと
いうか。宣伝文句にもなっている“怒りも憎しみも悲しみもそのすべてが
愛だ”というとおりだと思いますが。ほんとうにあの時が最後になって
しまうのなら…、後にそれを思う時にどのような思いが湧くのか、そこに
思いを馳せるのが?…ということでしょうか。
「沈黙」は、高校生の時に読んでとても気持ちに残り、ある大学の二次
試験で、ほんとうに気持ちを入れて書くことができると思い課題に選んだ
本でした。とても重い内容ですが、スコセッシ監督のこの映画も、気持ち
を引入れられ見入ってしまう、ほんとうに真摯につくられたのだと思える
作品でした。序盤から半分以上は泣いてました。宗教をもたない(あえて
言えばbuddistに近い)私に何がそんなに訴えるのか、改めて考えました。
何かに対する私には想像もしきれない強い思い、信じること、だからこそ
の深い迷い、きちんと言葉になりませんが、そういうものをもつ人々の
表情が残っています。何度か観るに足る作品だと思います。
 「エゴン・シーレ」は、とても美しい映画でした。芸術家を愛すると
ああいうことになってしまうのね…というと身も蓋もないですが、ああ
いう辛さはたくさんだ、と思ってしまいました。
「マギーズ…」は、マギー役の女優さんによってつくられた雰囲気の
映画だと思います。「フランシス・ハ」の時は、なんだか素人っぽくて、
独特の存在感は感じながらもピンと来なかったのですが、2作観てみると、
2作とも、彼女が出ているからこその作品になっていると思えます。
ジュリアン〜は、最近同じようなイメージの作品ばかりで、ちょっと違う
感じが観たいです。