最近は、ちょっと音楽への執着が薄い。短いスパンでの話だと思いますが。
気がつくと、観ること、読むことの方を求めているようなところがある。
とはいえ、通勤時やお茶を飲む時間には、やはり音楽が必要なことは多いので、
自分に馴染んでいて、絶対はずさないものを聴いてますが(Custom Blueとか)。
通勤時に欠かせない文庫で最近読んでいたのは、「魂萌え!」。
これは、少し前に、NHKでドラマを先に見てしまったせいもあり、あまり純粋に入り込めなかった。
TVで演じた女優さんがなかなかよかったので、その印象で読んだ。
今まで読んだ桐野さんの作品にある、ドロドロとした人間の業や欲望、ハードボイルド、強い女性、
...というイメージのものではなく、気持ちを摑まれる感じではないが、それなりに面白かった。
死んでしまった夫を通して知り合った主人公の主婦と、夫の不倫相手だった女性、両方の、
いい人過ぎず、嫌な女過ぎず、出すものは出し、かつ節操もあるような在り方がよかったと思う。
それぞれにとって、相手の存在を想像することも、知ることも、どちらも苦しくて、口惜しい。
でも、現実のそれぞれの場面には、たしかにそれぞれが大切にされる現実があって、
どちらにも、もらえるものともらえないものがある。かなしいけれど。
あとは...、ふつうに、現実に知っておいた方がいいことってたくさんあるから、
安定したところでうかうかしてると、いろんなことが起こるよ(特に主婦向けに)、ってことか-。
桐野さんにとっては、こういうものも書けるよ、ということでしょうか。


眠りにつく前の時間などには、大島弓子の昔の全集を読んでいたりする。
姉が読んでいた少女雑誌で出会った頃から考えると、かな〜〜り読んでいる歴史が長い。
最近(?、ていうか、たぶんもうここ何年も)の所謂漫画好きな人が好む漫画ではないと思うが、
何度読んでも、ああ、なんて素晴らしい、ずっときっと、これからも何度も何度も読む、と思う。
人物や背景の設定、大切とするものを選ぶ視点、ストーリー展開、どれもすごい発想だと思う。
少女趣味と言われれば少女趣味なのかもしれないが、私はこういうものが好きなんだと思う。
何か自分にとって必ずわるくない、安心するもの、を読みたいときに手に取っている。

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