前回、日記を書かないでいた期間に観たDVDなどの感想を書いたのに続き、
 過ぎたことシリーズ。こういう暗くない?日記はめずらしいが、一応、記録として。


 10月の中旬に、2泊3日で、親と京都へ行った。ずっと行こうと話していたのが実現。
 誕生日ということもあり、今回、宿代をプレゼントにした(全部できないのが情けないが)。
 親が足があまり丈夫でなくなってきたため、車で案内を頼み、まわってもらったので、
 とってもゆっくりと、楽な旅だった。また、案内を頼んだ人が、京都の地理はもちろん、
 建築、歴史など何にでも知識のある人だったので、
 ただ何気なく観るだけでなく、とても興味深い話を聞けて面白かった。
 親の体調を考えて、あまり無理をしないことを考えたので、たくさんは回れなかった。
 その中で、とてもよかったところの感想をいくつか書きたい。


広隆寺
 朝鮮から渡来した力のある秦氏(一族)が、聖徳太子から仏像を賜って建立したという?。
 (その近くの太秦というのは、その秦氏から名前が取られたということだった。)
 有名な弥勒菩薩像を観てみたくて行った。
 新霊宝殿という建物の入り口からいくつかの仏像が見えた時点で、ああ、いいかも、と感じ、
 実際に中に入るとすぐ、何かその空気にひどく感じ入るものがあり、わけわからず、
 泣けてきてたまらなくなった。たくさんの仏像があって、一人でその空気を味わいたくて、
 しばらく一人でゆっくりとじっくりと一つ一つ観た。
 古い仏像たちの色や質感、それらに囲まれている感じが、とっても居心地よく感じられて、
 ほんとうに静かに気持ちに入ってきた。行ってよかった。

 
・(大徳寺)高桐院
 大徳寺にあるたくさんの塔頭(諸大名が自分の菩提寺とするために大寺を囲むように
 建設した、いわば寺の別院を意味するとのこと)の一つで、利休の七哲の一人という
 細川氏の建立したもの。   
 それぞれ拝観料もかかるし、時間もなかったので、ここだけ行ったのだが、とてもよかった。
 表門からの敷石の道は、両側にかかる木々の葉がとても綺麗で、紅葉の時期は
 ほんとうに美しいとのこと。部屋の装飾や茶室のつくりも、質素だけれどそれとない品がある
 感じで美しく、静かにそこで過ごしたい(隠居したい)ような場所だった。
 

三千院、実光院
 三千院も、庭が美しく、阿弥陀三尊像も厳かでよかったのだけれど、
 その近くにある実光院というところが、とても小さいところなのだけれど、とてもよかった。
 庭には、小さな野草のようなものとか(めずらしいものがたくさんあるとのこと)、
 秋から冬に咲くという不断桜というのが植えられていて、紅葉や雪景色といっしょに
 桜が楽しめるとのこと。背景に山々が見えるのも、とても自然な感じでよい。
 室内に飾られた中国の古い楽器とか、庭を眺めながら、抹茶をいただいて楽しんだ。

 
東福寺
 とても広く、立派なのだが、豪奢な感じではない落ち着いた雰囲気がよかった。
 境内の廊下を歩いていくと、他では見られないような山の山腹と渓谷が見えてきて、
 その広さに改めて驚く。ここも、紅葉も時期はとても美しいのだと思う。
 有名な庭園も、静かな意志のあるデザインという感じがして、美しかったと思う。
 その風景全体を楽しむには、2箇所から(2回)拝観することになるようで、
 最終日の最後に行ったので時間がなく、半分しか観られなかったのが、とても残念だった。


仁和寺
 ここも広く、庭の紅葉がきっと美しいと思う。皇子皇孫がずっと門跡となっていたとのことで、
 建物も御所などにちなんだような作りになっていたりして、内部も雅で立派。
 こういうお金のかかったものが作られ、残されて、文化になっていくんだなあ、と思ったりした。
 京都に行って最初に靴を脱いで入ったところで、久々に足で木造の建物の廊下の感触を
 感じて、心地よかった。


 その他に行ったのは、三十三間堂金閣寺...くらい。
 あと、500年位やっているという蕎麦屋さんへ行ったり、一応イノダコーヒーへ行ったりもした。
 大原へ行く山道の途中で、志ば漬けで有名な漬物屋さんの本店に寄り、
 古い大樽を見て、その地域では各家が保存食として漬物を漬けていたことなどを聞いたり、
 街中を走る途中で、篤姫の幼なじみである(瑛太演じる)小松帯刀の別邸(があったと
 言われる場所)を教えてもらったり、
 京都のもみじは葉が小さいものが植えられているとか、庭のデザインをした人の話とか、
 建築物の作りのことなど、案内役の人の話からいろいろな話を聞けたのが、とても面白かった。
 一泊をホテル、一泊を柚子料理メインの料理旅館にしたのだが、その料理旅館が、
 雰囲気も料理も、とても素晴らしかった。