「ある過去の行方」と「ブルージャスミン」を観てきました。
「ある過去〜」は、序盤は、失敗したかな、と思いました。いいかわるいかで
なく自分的に好みじゃないかも、と。狭いところで性格悪い人たちがおたがい
批判し合うような会話ばかり…みたいな場面が多くて遅々として進まず…だっ
たので。中盤からストーリーが動き出してそれぞれの人の表情とか心の動きと
かに気持ちを入れて観られるようになって面白くなってきました。大きな出来
事が起こる訳ではなく、ある家族とその周辺での一つの出来事にともなうお話
ですが、こういう類(具体的な出来事のことでなく関係性の中で起こる気持ち
の持ち方とか)のことってあるだろうな…と思いますが、それを深刻にリアル
に描くタイプの監督ですね。それはよく描けてるなと思いました。中心人物
の女性はすごく自分的には近寄りたくないタイプ。まあ映画を観て最近よく
思うことですが、どんなに色々な事情があってしていること、態度であっても、
やっぱりそうあっちゃだめでしょ、理解は出来ても気持ちは汲んでも、私は近
寄りません、と思っちゃいます。すでに近寄っちゃってる場合は…監督たちは、
それでも家族、人間関係は、やっていくものだ、と言っているのでしょうけれど、
私はどうするでしょうか。

「ブルー・ジャスミン」は、ウディ〜本人が出ていないせいなのか、いつもの
くすっと笑える皮肉っぽい軽妙な会話のやり取りがまず頭に浮かぶ、という
映画ではなく、もうちょっと深刻という感じ。ウディ〜の映画の場合は、よく
出来ていてあたりまえ的に観てしまうので、今のところ、それなりによかった
という感じですが、ああいう高慢なタイプの女性を主人公にその内面のイラつ
きやザワつきを客観的に描いていて、しかも必ず本人なりの一生懸命さがとも
によく伝わってくる、みたいな映画ってあまりないかもしれない。結末からの
ジャスミンの行く末はよく考えるとけっこう大変に思えます。想像したくない
くらい。それは観る方の考え方によるのでしょうか。ブルー、ジャスミン
ブルームーン、などの言葉と、ケイト〜の金髪と色白さが、キレイな印象を
残してくれてよかったです。